最近こういう話題ばかりここに書いている気がする。まあ楽しいこと優先で書いたらこういうことがどうしても多くなる趣味をしているので…

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リゼロ「氷結の絆」公式サイトより

オリジナルアニメ映画である。原作のリゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)は今も読んでいる数少ないラノベの1つ。お~ざっぱに説明すると、引きこもりの菜月昴(なつきすばる)はコンビニ帰りに突如異世界へと転移して、死んでも過去のある地点からリスタートする(死に戻る)能力を利用しつつ、一目惚れした銀髪ハーフエルフ美少女エミリアを一国の王にすべく奮闘する。かっこ悪い系主人公であり、裏切られて死んで、心折られて死んで、とにかく理不尽なほど死にまくりながら、まさに死地に活路を見出すがごとく、死に物狂いで異世界生活を過ごす。その様に共感、はできないし、憧れとかも抱かないが、なんとかして一歩踏み出していくさまは応援したくなるし、怒涛の解決編はちゃんとワクワクできる。

映画は1時間15分、2019年11月公開。

親竜王国ルグニカにあるエリオール大森林。それは人の干渉を拒絶する《氷結の森》。 その溶けない雪と氷に覆われた森の奥に、一人の少女と一体の精霊が暮らしていた。 二人に契約関係はなく、ただ成り行きで共に日常を過ごすだけ。 互いの胸に秘めた罪悪感と使命感に急き立てられながら停滞した時間。 触れ合える距離にありながら、決して寄り添うことのない二人に、 運命は容赦なく、全てを焼き尽くす業火となって襲い来る。ー 『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』に続く アニメ完全新作エピソード第2弾となる本作で描かれるのは、エミリアとパックの出会いの物語。 いかにして二人は強い絆で結ばれるに至ったのか――。 TVシリーズ第1期の前日譚にして、 第2期へと繋がる一人の少女と一匹の精霊が紡ぐ《運命の物語》が今、幕を開ける。

リゼロ「氷結の絆」公式サイトより

観てなくても本編の理解に影響はないが、2人の絆と、エミリア個人に向き合うスバルがどれほど重要かがわかるので、本人が碌に出ない所で株が上がる。さすがに本編のアニメ1期を観ていなければ(もしくは原作を読んでいなければ)意味が分からなくて共感もできずに終わるだろうが、まともな仕上がりで安心した。ワンピースのオリジナル映画のようなクオリティを想像していたが、無難な出来。

作画はTVアニメと地続きのレベル、音楽は最後のEDが全体の雰囲気と良く合っていて素晴らしかったが、それ以外に特筆すべき所はない。肝心のストーリーは、大筋は問題なく理解できて、相互補完的に2021年冬の今期2期を観ればさらに理解が深まる感じ。ただ、調停者メラクエラってどちらさん?となったし、黒蛇って、あれっ?魔女ペットの一匹?本編じゃないところで出ちゃった?となって視聴後にググった。どうやら出てきたのは黒蛇が通った後に残した黒い水らしい。本体はお預け、というかただの残身であの暴力性かよ。

「僕と契約して、ピー」って雰囲気は魔法少女とはまったく関係ないのに笑ってしまった。最後、「解けない氷はない」というスバルのセリフがエミリアと視聴者の心に刺さる。

まだまだ謎が残っているが、リゼロの複雑で凝った世界をより楽しめるという意味で、よくできたオリジナル映画だった。

ギルティラウさんが何をしたというのだ……。