要約

つまらなさそうなアリス、家の中で1人遊んでいると、ガラスケースにいたウサギの人形が動き始めた。ガラスを壊して机の引き出しに入ったウサギを追って、アリスは不思議な世界に入りこむ。ウサギを追っていくうちに色々あり(一言では無理)、ついにハートの女王から斬首刑を言い渡されたところで、アリスは目を覚ます。どうやら遊んでいるうちに寝てしまっていたみたい、と思ってガラスケースを見ると、なんとガラスが割れており、中のウサギも本当にいない。ウサギが服を隠していたところに布用ハサミが入っており、それを手にとったアリスが「いつも遅刻だわ 首をちょん切らなきゃ」と言ったところで映画は終了する。

基本情報

  • 監督 ヤン・シュヴァンクマイエル
  • 出演 クリスティーナ・コホウトヴァー
  • ジャンル アニメ
  • オーディオ言語 Čeština
  • 1989年
  • 実写とストップモーションアニメを組み合わせた作品。俳優はクリスティーナ(アリス役)のみ、豚やハリネズミ等の動植物は本物を使っている。
  • シュールレアリズム、ストップモーション界の巨匠、シュヴァンクマイエル、らしい(Amazonレビューより)

感想

好奇心の「奇」

想像の100倍気持ち悪い。これを気持ち悪いで終わらせるか、だからこそ……と続けられるかは人によってかなり分かれる。私がどちらに属するかは、評価から察してほしい(笑)

Amazonレビューでは、社会主義体制を批判しているとか、救いを求める作家の叫びであるとか、それはそれでおもしろいことが書かれており真実の一端なのだろう。では自分にとってはどうだったかというと、自分の妄想を直視したようでもあるし、他人が見て感じる世界をフィルター無しで見せられたようにも感じた。他人の感情を100%そのまま受け取ると自我が崩壊するだろう。肌感ではそれに近い。万華鏡を覗き込んだときの世界観ともいえるかな。この感じは言語化が難しい……

個人的に好きな演出をあげると、BGMと靴下芋虫である。

まずBGMが非常にシンプルで、時計の秒針音だけである。アリスだからこそ可能な、余計な装飾を一切無くしてもその作品だとわかる唯一の音。テーマ”ソング”はよくあるが、テーマ”サウンド”ともいうべきものはどれほどあるだろう。あとおまけで、チェコ語はまったくわからない分(笑)、逆に雰囲気が出てよかった。

靴下芋虫は、想像力の勝利というか、単純にその感性が面白かった。とくに糸でまぶたを縫って寝るシーンは、自分では絶対に思いつかない。こういうものに出会うたび、自分の創造力がアップデートされるようで気に入っている。

あとは全体の演出として、リアルとストップモーションの混ざり合いが妙技だった。アリス自身が本物や人形とコロコロ入れ替わるのもそうだが、カエルの舌や、瓶から出てくる生肉、フラミンゴが本物の鶏になったり。夢と現実の区別が曖昧な印象も出ていて気味が悪かった(褒めてる)。

総評は、インスピレーションが刺激され、刺激され、されすぎて疲れた 笑

視聴中のメモ

視聴中のメモ

「アリスは思いました」たぶんわざと、上下の歯に唾液が付いて糸を引いている。
音、川、せせらぎ、石のドボン、手をパチン
引き出し ドラえもん
血 千尋
音、BGMがいっさいない!時計の音だけ
コンパスの針、安全ピン、画鋲
兎は言いました。ねぇ、お願い。ハロー、パネ。チェコ語
頭に木の枝を打ち付けられるのは吹いた
ニワトリの骨で馬の鳴き声
シャイニングやないか
トイストーリーでおもちゃから仕返しされるシーン
ピーターパンで船から落とされるシーン
卵から頭骨、パンから釘、缶詰から虫、カメから生肉、薄い缶詰から鍵
泳ぐ靴下、靴下の芋虫
家来蛙の舌が生々しいな
1:03:24 ついにお茶会
お茶を飲み、席をずらして、を繰り返す帽子屋。三月兎は時計にバターを塗りつけている。
席はないよ!
うさぎの時計にもバターを付けて、うさぎはアリスの靴下に塗り移す
服をかき分けるのはナルニア
帽子屋も三月兎も首を刎ねられんの!?
フラミンゴが鶏に、針山はハリネズミに
すらすてぃーはらぼ
誰の首を?
夢から覚めて、兎だけうさぎの家にいない。うさぎが服を隠していたところに布用ハサミ
「いつも遅刻だわ 首をちょん切らなきゃ」