[Episode.01]ボーダレスネーム - 谷中分室 | 少年ジャンプ+

Episode 3まで公開中である。広告代理店で働いている片山津亜生(かたやまづあお、31)のポリシーは「うまくやる」。あるとき、漫画の広告を任されることになり、広告業を通して漫画家を再び目指すことになる。そんなアラサー女子の挑戦物語である。

最初はなぜジャンプ+?と思ったが、なかなか熱い。バクマン。が10代若者の人生初挑戦なら、こちらは30代大人の人生再挑戦。「逃げ恥」や「ちょっと今から仕事やめてくる」、「凪のお暇」とは方向性の異なる、個々の価値観を重視するタイプの作品。同じ広告代理店でも、「左利きのエレン」とはこうも雰囲気が違うんだね。

エレンつながりでいうと、アントレースみたいにならないか心配。あれは才能や時間を主張しすぎていた。今とくに求められているのは目に見える努力、それでいて成長する主人公。成果主義、ジョブ型雇用のアンチテーゼ的でもある。たぶん今に「けいおん」が初出だったらあんまり売れなかった?でもラノベ系、とくにハイファンタジーではおれつえーが未だに人気だし、一概には言えんかも。内容がリアルによるほど、努力が成果に結びつくさまを読者が求めそうではある。

ただし、夜遅くまで時間をかけたらいいものができあがる、という雰囲気にしてしまうと読者は冷める。少なくとも私は萎える。漫画とか研究でよく〆切当日徹夜で完成ってあるけど、いわゆる深夜テンションを日中に見せられても……って感じになるかな。

漫画の中でどこまで主人公に漫画を書かせるかは難しい。バクマン。みたいにある程度やり切るか、他多くの作品みたいに(例がほしい)ごく一部のカットのみで漠然と済ませるか。個人的にはけっこうはっきり輪郭を示さないと、本気でやっているとリアル読者に伝えられないと思う。とか考えていたら、まさかの公開済みオリジナルw(「千里浜高校広告部」谷中分室/マーガレット22号/2019年読み切り掲載)でも隔週更新になるって。漫画の中で漫画を書くことになると単純に労力2倍位かかることになるが大丈夫かと思っていたら、なるほど労力2倍だから更新ペースを半分にすると。理にかなっている笑

でたよ大人ヲタクはきついって主人公が考えているパティーン。まだやる?作中で昭和世代のおっさんを出して貶めているわけでもないし、どうせなら現実にある作品に対してガチのオタクトークを繰り広げているシーンがあってもよいと思う。1萎え。

画力は、表情以外及第点。第2話で疲れた顔と言われるが、わからん。ただ、主人公の職業が広告代理店勤務なのに、画面がよく動いているのはうまい。効果線、背景とコマ割り、カメラワークかなぁ。もちっとちゃんと見とけばよかった。雰囲気しか覚えていない。

このままのノリでいくと失速するが、変化球や緩急をどこまで混ぜられるかが見もの。隔週更新か……際どいな。求められる画力が跳ね上がるぞ。1人で書いているらしいコスプレ漫画もあるし、このままの画力だと厳しい。

一応読み続ける。